島根を舞台に繰り広げられるミステリーアドベンチャーゲーム「√Letter Last Answer」
パッケージを見る限りゴリゴリの実写ですが、設定から変更することでイラストにもできます。
本作は主人公のマックス(あだ名)が、15年前に文通相手だった少女・文野亜弥からの身に覚えのない手紙を発見するところから物語が始まります。そこには「人を殺してしまったから罪を償わないといけない」といった内容が書かれていました。その内容が気になったマックスは、亜弥のいた島根に訪れ、真相を知るため亜弥のクラスメイト7人を探し出す、といった物語です。
この記事では、「√Letter Last Answer」の個人的評価(ネタバレなし)を書きながらどういった方におススメか?を紹介します。
対応機種 | Switch | PS4 | PSVita |
発売日 | 2018年12月20日 | ||
価格 | 通常版:5480円(税別) ダウンロード版:4980円(税込) | ||
ジャンル | ミステリーアドベンチャー | ||
開発元 | 角川ゲームス | ||
発売元 | 角川ゲームス |
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全体評価
個人的には「並ゲー以上・良ゲー未満」でした。
あまり見かけない切り口から始まるミステリーで、ストーリーも個人的には面白かったのですが、人によって好みが分かれそうなゲームにも感じました。
クライマックスの際に、今まで選んだ選択肢によって全く違う展開へ派生するストーリーや、実写画像を使った演出は、個人的には好きでしたが結構好みが分かれるポイントではないでしょうか?
また、バカゲーとまでは言いませんが、「おいおいソレでいいのか?」と思うような部分に指摘がないのが地味に面白かったです。
特に個人的に面白かったのは、「仲のいいクラスメイトに対して『チビ』『デブ』と、身も蓋もない呼び方をするヒロイン」でした。
コレのせいか、私の中でヒロインは終始「優しい物腰の割に辛辣な子」という印象でした。
ここからは「良かった点」「気になる点」を順に挙げていきます。
良かった点
程よい難易度のゲーム性
本作は逆転裁判のように、いろんな場所に移動して人や物を調べる「探索パート」と、特定の人物にアイテムや言葉を突き付けて真相を聞き出す「追及パート」をクリアすることで物語が進みます。
探索パートは、色んな場所を歩くのが面倒に感じるかもしれません。
ですが、追及パートはそこそこゲームとして楽しむことができます。追及パートは程よい難易度で「ちゃんと考えれば分かるけど適当にやっていたら分からない」感じになっています。またゲームオーバーになっても、ストーリーの始めからではなく追及パートの直前からまた始められます。
豪華な声優とビジュアル
本作は主人公マックスの声を山寺宏一さん、ヒロインの亜弥の声を日高のり子さんが当ててます。このメンツを見てお分かりの通り、声優が豪華です。また、冒頭でも述べた通り、実写とイラストのどちらでプレイするかを設定で変更できるのですが、どちらであってもストーリーの良さを引き立たせる魅力的なビジュアルです。
珍しいタイプのミステリー
よくあるミステリーゲームって、
・刑事や探偵、弁護士といったお偉い職業の人たちが犯罪事件を捜査する。
・一般人の主人公が犯罪事件に巻き込まれる。
・幽霊や宇宙人など、非現実的な設定で奇妙な出来事に巻き込まれる。
この3つのどれかに該当することが多いと思います。
ですが本作は、その3つのどれでもありません。
主人公はただの一般人ですし、メインシナリオに関して言えば非現実的な設定はありません。(主人公の行動に関しては、非常識なとこはありますが笑)
主人公の行動のせいでトラブルに巻き込まれることはあるものの、犯罪事件をメインにしたミステリーではありません。メインとなるミステリーは「犯罪事件の真相」ではなく「昔の文通相手の現在の行方」です。
あくまで、「日常の中で起こりうる範囲の不思議な出来事」を誇張したミステリーになっています。
警察が絡むような事件でも、非現実的な現象を利用したミステリーでもないため、個人的にはそのストーリーにオリジナリティを感じました。
島根愛を感じる
本作は「ご当地ゲーム?」と思うくらい、島根の色んなものが登場します。島根についたばかりの主人公に島根のマスコットキャラ・しまねっこが会いに来たり、島根の実際の駅や街・建物に行ったり、出雲大社や宍道湖といった島根の観光スポットも紹介していたり、要所要所で島根の魅力をアピールしています。「島根って、こんないい所があるんだ!」と普段印象の薄い島根県の魅力に関心すること間違いなしです。
気になる点
主人公のクセが凄い
本作の主人公、個人的には嫌いではなかったのですが、評判を聞く限り否定的な意見が多いです。
理由は、主人公の熱苦しさと強引さにあるようです。
主人公は「マックス」というあだ名になるくらい、何事にも全力で取り組むからか、言動がエネルギッシュで若々しく感じます。そのためか、「失礼」と思えるくらい初対面の人にもフランクに話しかけますし、「無神経」と思えるくらいストレートな物言いをします。そういった点が苦手だった人も多いようです。
また、主人公はクラスメイトたちを半ば脅迫する形で真相に迫ります。この強引さのおかげで、着実に真相が判明していくのですが、「話したくない」と言っている相手の脅迫材料を探して脅す強引さに、不快感を示す人もいたようです。
ボリューム不足に感じる
本作は全ルートあわせて約15時間でプレイできます。約5000円のゲームにしてはあっさり終わった印象です。ストーリーがメインでやり込み要素が少ないゲームなので、もう少しシナリオにボリュームが欲しいと感じました。
どんな人におススメか?
人の好き嫌いが激しくない
本作は主人公の賛否が分かれるゲームです。
上記の主人公の性格を読んで、好きになれない方にはおススメできません。
また主要な登場人物は全員、良くも悪くも人間臭いです。悪い人でなくても、人間のじめじめとした醜い感情を露わにします。
その上、クライマックスで派生するサブシナリオでは、今までのキャラの立ち位置や性格などが大きく変わります。本編で「いい人」と思っていてもサブシナリオで残念に感じるキャラもいるかもしれません。
これらの点を踏まえて、「ストーリーが面白かったら、キャラクターの性格は関係ないよ!」と言える方であればおススメです。
ライトなミステリーも好き
本作のミステリーはよくある刑事物のように、綿密に練られたトリックはありません。
ですが、「この人がクラスメイトの〇〇かな?」とか「15年前の真相はこうかな?」といった推理をする余地はあるゲームです。衝撃的な展開がなくとも、そういった要素を予測しながら楽しむのが好きな人であればおススメです。
その他
「値段の割にはボリューム不足」「実写」といった点を許容できる人であれば問題ありません。
ですがこれらに不満を感じても、下記の通りにすれば満足できるのではないでしょうか?
・ボリューム不足は嫌
→割引価格で買う
・実写が嫌
→設定でイラストに変更してプレイ
まとめ
「ヒトの好き嫌いは激しくない」
「ライトなミステリーも嫌いじゃない」
そんな方であればおススメできます。
当てはまる方は、買ってプレイしてみてはいかがでしょうか?
おわりに(おススメ実写ゲーム)
本作は「実写ミステリー」という、ゲームでは珍しいジャンルかと思います。
ですが、個人的に本作以上におススメの実写ミステリーゲームが2作あります。
実写のミステリーゲームの興味のある方は、下記のゲームの記事も是非ご覧ください。