2018年6月15日にAndroidおよびiOS向けに発売され、その後Steam/Switch/XboxOne/PS4/PS5と、様々なプラットフォームでも発売されたオンライン・パーティーゲーム「AmongUs」
本作は宇宙船を舞台にした人狼のようなゲームです。
宇宙船内に、インポスター(人狼)がクルー(村人)に紛れ込んでいます。クルーはインポスターを全員追放することで勝利できるのですが、実はこのゲーム、クルーはそれ以外でも勝利することができるのです。
この記事では、「AmongUs」の個人的評価を書きながらどういった方におススメか?を紹介します。
全体評価
個人的には「コミュ力ある人向けのゲーム」だと思いました。
人と談笑しながら遊ぶのが好きで、心理的な駆け引きが得意な方にとっては、何度でも夢中になれる神ゲーなのではないでしょうか。
それほどまでに、パーティーゲームとしては非常に優秀なゲームです。
一人でやるゲームばかりしていた筆者も、本作で久々に「オンラインで人と交流しながら遊ぶ楽しさ」を思い出しました。
また、人狼とは少し違うルールであることも、本作を面白くさせている要因になっています。
人狼との相違点
本作のルールは人狼と何が異なるのか?それを説明するため、それぞれのルールを大まかに記載します。
ー人狼のルールー
プレイヤーは「人狼」や「村人」などの役割を与えられ、与えられた役割毎の勝利条件を目指します。
昼のターンになるとプレイヤー全員(人狼含む)で会議を行い、誰を処刑するかを決めます。
夜のターンになると人狼のみで会議を行い、誰を食い殺すかを決めます。
「昼のターン」に一人、「夜のターン」に一人、と交互に行いながらプレイヤーを追放します。
【人狼の勝利条件】
残っている村人と、残っている人狼の数が同じになる
【村人の勝利条件】
人狼を全員追放する
ーAmongUsのルールー
プレイヤーは「クルー」と「インポスター」に分かれ、それぞれの勝利条件を目指します。
基本的に、クルーは与えられた仕事(タスク)を終わらせることで、インポスターはクルーを殺すことで勝利を目指します。クルーを殺した場合、その死体を発見した人は通報することができます。通報すると緊急会議が開かれ誰がインポスターかを話し合い、疑わしい人一人を追放することができます。
【インポスターの勝利条件】
(勝利条件1)残っているクルーと、残っているインポスターの数が同じになる
(勝利条件2)宇宙船に致命的な障害を起こし、クルーが制限時間以内に障害を解決できなかった場合
【クルーの勝利条件】
(勝利条件1)インポスターを全員追放する
(勝利条件2)各クルーに割り振られた仕事(タスク)を、全員終わらせる
以上を踏まえて、大きな違いは以下の通りです。
①勝利条件が違う
本作は、人狼(または村人)を減らす以外にも、勝利条件が存在します。
クルーの場合はタスクを完了させれば、インポスターの場合は宇宙船に致命的な障害を起こしてクルーに解決させなければ、勝つことができます。
②「敵を減らす機会」が限られている
人狼では「昼のターン」に一人、「夜のターン」に一人、と交互に行いながらプレイヤーを追放できます。しかし本作ではターン制にはなっていません。
たとえ人が死んでいても、死体を見つけないと通報して緊急会議(人狼での昼のターンにあたる)を開くことができません。また、インポスターにも「キルクール」が存在し、始まってから(または殺してから)一定時間が経過しないとクルーを殺すことができません。
そのため
・通報される前にインポスターがクルーをほぼ全員殺して勝利
・クルーが殺される前に全員タスクを終わらせて勝利
のように、緊急会議や殺人が行われなくてもゲームが終わる可能性があります。
③マップ移動ができる
本作は人狼と違い、宇宙船の中を移動しながらタスクをこなし(もしくは人を殺し)ます。そのため、誰がインポスターかを推理するのに「誰が」「どこに」いたのかを把握するのが非常に重要になります。
例えば、陸の孤島にある旅館で殺人事件が起こったとします。もしこの時刑事がいたら、犯人は誰かを突き止めるために全員にアリバイ確認を行いますよね?それと同じ現象を本作で味わうことができます。
良かった点
リアルな心理戦が楽しめる
NPCはおらず、ヒトと遊ぶのが前提のゲームです。
そのためAIのような機械的な動きをする人は、ほとんどいません。
特にオンラインだと一期一会の方と遊ぶ方が圧倒的に多く、毎回色んな方と遊べるため、いつでも新鮮な気持ちで戦うことができます。
また、フリーチャットにもすることができるため、自分の言葉で意見や推理・弁明を語ることができます。なので玄人と初心者で力量にかなりの差が出ますが、基本的にチーム戦なので自チーム内に玄人さんがいれば勝つことも可能です。
「鬼ごっこ」もできる
「人狼のような、人を疑ったり騙しあうゲームは苦手」という方でも本作をおススメしたいです。
なぜなら、人狼ゲーム以外の遊び方もあるからです。
ホストの中には、「鬼ごっこ部屋」と書かれているホストがあります。
こちらは、「インポスターを探って追放する」という通常の遊び方とは違う遊び方をする部屋になっています。
大まかなルールは下記の通りです。
①インポスターはあらかじめベント(インポスターしか使えない通気口)に10回出入りをし、その間にクルーは逃げながらタスクをこなす
②10回出入りした後、インポスターはクルーを追いかけて順次殺す
③インポスターを追放してはいけない(死体を見つけても通報しない・投票してはいけない、など)
④インポスターに殺される前に全員タスクを終わらせたらクルーの勝ち
クルーをインポスターの数と同じになるまで殺したらインポスターの勝ち
基本的にはインポスターから逃げるゲームです。なので「鬼ごっこ部屋」です。
コレだと、人を騙すのが苦手な人や、アリバイを証明したり推理するのが苦手な人でも、ワイワイ遊ぶことができます。
ちなみに鬼ごっこ部屋は自分でも作ることができます。
もし探してもなかった場合は、後日探すか自分で開いて募集することをおススメします。
気になる点
対人前提のゲーム
本作は一人では遊べません。
大半のゲームは一人でコツコツ遊べるゲームだと思いますが、本作は真逆です。
リアルで友人のいる方は友人と、いない方はオンラインで知らない人と一緒に遊ぶ必要があります。
リアルで遊ぶ友人がおらず、知らない人と遊ぶ勇気のない方は、全く楽しめないゲームです。
ですが、インターネットやSNSで対戦相手を募集しなくても、ゲーム内で他の人が開いている「ホスト」に入る(もしくは自分が「ホスト」を開いて不特定多数の人を募集する)ことができます。
ですので、オンライン環境で遊ぶ勇気のある方は、いつでもどこでも気軽に楽しめるゲームです。
対戦相手は玉石混淆
本作は初心者でも気軽にオンラインで遊ぶことができます。
ですが、逆に言えば「どのホストであっても、初心者が混じることがある」とも言えます。
さらに言えば、ネットマナーすら知らない「ネット初心者」も混じることもあれば、ごくまれに荒らしレベルで他人に暴言吐く人もいます。
そういった意味で、対戦相手は玉石混淆です。
どんな人におススメか?
オンラインで遊ぶ場合
この場合は、下記の点に当てはまる方におススメです。
①オンライン環境が整っている
言わずもがな、かもしれませんが、オンライン環境が不十分だと遊ぶことができません。スマホで遊ぶ場合は特に気にしなくても大丈夫かもしれません。
しかし、Switchのようにオンライン環境を別で整える必要があるプラットフォームも存在します。
例えばSwitchですと、ニンテンドースイッチオンラインに加入しないとオンライン環境で遊べません。また、ニンテンドースイッチオンラインに加入しても、スイッチのコントローラーでは文字を打つスピードが遅いため、思うように発言できない可能性があります。そのため、別途キーボードを用意する必要がある方もいるかもしれません。
このように、プラットフォームによっては、ゲームとは別にオンライン環境を整える費用が掛かることがあります。
②ネットマナーが守れる
これは他のオンラインゲームやSNS等にも言えることだと思います。荒らしや誹謗中傷はもちろんですが、ルール違反的な行動(鬼ごっこ部屋の場合、通報するなど)を取るのも迷惑がかかります。なので、「他の人が不快に思うような言動は取らない」という最低限な部分が守れない方は絶対にプレイしないでください。
③知らない人と遊ぶことに抵抗がない
オンラインで知っている人と遊べる確率は、ほぼゼロです。
なので人見知りの激しい人や、オンラインで人に話しかけるのが苦手な人にはおススメしません。
オンラインで遊ばない場合
この場合、「一緒に遊んでくれる知人がいる」人におススメです。
オンライン環境もなく、ローカルで一緒に遊んでくれる人もいないとなると、ほぼ何もできないゲームです。対人専用のゲームですので、ぼっちでオンラインで遊ぶ勇気のない方にはおススメしません。
まとめ
「オンライン環境で知らない人と、ワイワイ交流しながら遊ぶのが好き」
「複数人で盛り上がるゲームをしたい」
そんな人には間違いなくおススメです。
おわりに(個人的に注意したい点)
もし「本作をプレイしたい」、そして「鬼ごっこ部屋でなく正規の遊び方で遊びたい」と考えている方がいましたら、初めは下記の点に注意してプレイすることをおススメします。
①マップと場所の名称を把握する
インポスターが誰かを推理するとき、「誰がどこにいたか?」「どこで死体を発見したか?」は必ず議論されます。その時、自分がどこにいたのかを説明できないと疑われる確率が高くなります。
ただ、一気に場所の名前を覚えるのは大変かと思いますので、場所の名称が覚えられるまでは「マップの右の方の部屋にいた」「マップ下の細い通路」など、場所の名称でなくてもどこにいたか分かるような説明をするようにしましょう。
ちなみに私は初めの頃、セキュリティルームにいたにも関わらず、名称が分からず「多分管理室にいました」と答えたところ、嘘をついていると言われ、疑われて追放されました。(この時私はクルーでした)
②他のプレイヤーとはソーシャルディスタンスを保つ
インポスターはある程度近くにいないとクルーを殺すことができません。そのため、極端に他のプレイヤーに近づきすぎると、インポスターだった場合殺される可能性があります。逆に、クルーであっても「殺すために近づいてきたのでは?」と疑われます。
なので、アリバイ証明のために他のプレイヤーと一緒にいたい場合は、ソーシャルディスタンスを保ちましょう。
③自分のいる場所・一緒にいる人を把握しながら行動する
コレは割と重要です。いざ緊急会議が始まったとき、意外にテンパって最後に自分のいた場所や近くにいた人を忘れてしまうことがあります。(特にタスク中)
また、他の人に「最後にあなたと一緒にいましたよね?」と言われても、記憶があやふやだと「そうだっけ?」としか返せず、相手に迷惑をかけてしまいます。
なので、「今自分は管理室で〇〇さんと一緒」など、いつ緊急会議が始まっても即座に答えられるよう意識しながらプレイしましょう。
④タスクを早期に終わらせる
タスクを終わらせないと、クルーは「インポスターを追放する」以外で勝てなくなります。
インポスターを追放するには会議を開く必要があるのですが、会議自体は何度も簡単に開けるものではありません。
実際、私がクルーで勝った時の半分は「タスク完了による勝利」です。なのでタスクを終わらせない人がいると、勝率が大幅に下がります。
また、タスクをやっていないとインポスターと勘違いされて追放されることもあります。(インポスターにはタスクが存在しないため)
個人的に、コレを意識すれば初心者でも不必要に疑われたり、早期に追放される(または殺される)ことはないと思います。(とは言っても、私も初心者と変わりませんが汗)
「素人の意見はいらん!ワシはもっと強くなりたいんじゃ!」という方は、攻略サイトや上級者のテクニックを調べて試すことをおススメします。