パッと見、かまいたちの夜を彷彿とさせるゲーム「DearMyAbyss」
本作は平凡な女子高生・朝戸昴のもとに届いた、一冊の不思議な本をめぐる、学園伝奇ホラーなノベルゲームです。
この記事では、「DearMyAbyss」の個人的評価(ネタバレなし)を書きながらどういった方におススメか?を紹介します。
対応機種 | Switch | ||
発売日 | 2018年2月22日 | ||
価格 | 990円(税込) | ||
ジャンル | テキストアドベンチャー | ||
開発元 | Team Berial | ||
発売元 | 有限会社レジスタ |
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全体評価
個人的には「ハマる人であれば多分良ゲー」なのかな?と思う作品でした。
正直なところヒロインの昴が苦手に感じて、そこまでハマれませんでした。
ですが世界観やストーリー展開は面白かったため、一応最後までプレイしました。
かなりヒトを選ぶゲームなので、万人にはおススメできませんが、ストーリーのクオリティは良い方だと思います。
良かった点
ストーリーが良い
本作はクトゥルフ神話をなぞったストーリーで、クトゥルフ神話を知らない私でも「クトゥルフ神話をを熟知したうえで構成されたストーリー」というのが分かるくらい、熱量が感じられます。
身近に得体のしれない者がいる不気味さと、理屈の通じない神話のような恐怖が味わえ、読んでいて先が気になります。
また一人称視点で書かれる物語は、キャラの繊細な内面を映し出していて、嫌悪や恐怖などの感情が伝わってきます。
気になる点
ネガティブなヒロイン
ヒロインの昴はとにかく卑屈でマイナス思考です。
基本、昴は登場人物のほぼ全員を嫌っています。
明るく話しかけてくれる子ですら、昴は「あの子といると自分が卑屈になるから嫌い」と毒づきます。担任の先生に対しても「嫌いな母親に似ているから、嫌い」と言います。
そんな昴の視点で語られるストーリーは、読んでいて嫌になるくらい、彼女の陰気な感情が伝わってきます。
個人的にはソレが苦手で、途中でゲームを投げ出したくなりました。
百合要素がある
本作の登場人物は、ほとんど女性キャラです。
それだけなら珍しくありませんが、本作は百合的な要素が強いです。
「女の子同士の仲がいい」というよりかは、「片思いのような一方的な愛が強い」印象です。
百合好きではない私でも、「これは百合だ」と認めざるを得ないレベルの表現があります。
ゲーム要素が少ない
本作は、ほぼ読み進めるだけのゲームです。
プレイ時間が15~20時間程のゲームですが、その割には選択肢が少なく、エンディングもバッドエンド含めて7つしかありません。
どんな人におススメか?
クトゥルフ神話が好き
作中でクトゥルフ神話の説明はありますが、理解するのが難しいです。
クトゥルフ神話を知らない人だと、大まかな概要しか理解できない説明だと思います。
そのためクトゥルフ神話をモチーフにした作中の出来事も、「なぜそうなるのか」の理解が浅いままにストーリーが進み、しっくりこない部分を残したまま話が終ってしまいます。
また、抽象的で難しいポエム(恐らくクトゥルフ神話をモチーフにしたもの?)もちょくちょく挟むため、余計に話が分かりにくく感じました。
クトゥルフ神話を知らない人だと難しく感じるゲームだと思います。
逆にクトゥルフ神話に詳しい人だと、「なるほど」と面白く感じるのかもしれません。
ノベルゲームが好き
本作は小説寄りのノベルゲームです。
選択肢は少なく、登場人物は基本的にシルエットのみ出ます。
一応キャラの立ち絵っぽいのは出ますが、ちょっとの間しか出ない上に、鼻から下の部分しか出ません。
既存のノベルゲームは「絵を見て状況を想像する」要素がありますが、本作の場合は「文字で状況を想像する」要素が強めです。
挿絵のない小説が苦手な人だと、読み進めるのが億劫に感じるかもしれません。
色んな価値観を受け入れられる
本作は「主人公がネガティブ」「百合要素」といった、ヒトを選ぶ要素が満載です。
主人公が卑屈でも、女の子同士が愛し合っていても、「そういう価値観もあるんだ」とスルー出来る包容力がなければ、正直キツイです。
まとめ
「クトゥルフ神話が好き」
「小説やラノベが好き」
「百合?ネガティブ思考?そんなの気にしない!」
そんな方であればおススメのゲームです。
当てはまる方は是非、買ってプレイしてみて下さい。