【感想レビュー/ネタバレなし】真流行り神3【PS4/Switch】

2021年7月29日にPS4/Switchで発売された
ホラー系ノベルゲーム「真 流行り神3」。

本作は主人公の女性巡査が、
都市伝説のような奇妙な事件を調査し
真相を追求するゲームです。

個人的には好きなゲームでしたが、
物語のラストに、少しキレそうになりました。

この記事では、真流行り神3の
個人的評価(ネタバレなし)を書きながら
どういった方におススメか?を紹介します。

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全体評価

総合的な評価としては「並ゲー」です。

私個人としてはストーリーやキャラが好きなので、もっと高く評価したかったです。

前作(真流行り神/真流行り神2)から
ストーリーが格段と面白くなっているため
前作が好きな方には間違いなく良ゲーです。

しかし
評価を下げざるを得ない程の「悪い点」
があったため「並ゲー」評価になりました。

ここからは良かった点と気になる点を
紹介していきます。

良かった点

ストーリーが面白い

「都市伝説になぞらえた事件が起こり、それを科学的・オカルト的な視点で読み解いていく」というストーリー構成はシリーズを通しての魅力です。
こちらのゲームの特徴として、物語の途中で「科学ルート」と「オカルトルート」に分岐します。
その名の通り、「科学的な視点で」事件を調査するか「オカルト的な視点で」事件を調査するかでルートが分岐します。
「プレイヤーは両方のルートを読み終えることで事件の真相を知ることができる」という構成は非常に面白いです。

また前作と比べて、格段にストーリーが面白くなっています。
犯人の動機・怪異が起こした行動・事件の背景などが、前作より深く描かれています。

ホラー要素が前作より増した

前作はホラー要素だけでなく、感動要素や超能力バトル等、色々な要素が織り交ざっていました。ですが今作は5話中4話はホラー。
(5話は主要キャラの過去への決別の話)

また前作は基本、怪異や犯人を追う側でした。しかし今作は命を狙われる側にもなっています。それにより緊張感や恐怖心を煽られ前作より怖く感じられました。

恐怖心を増長させるイラスト

前作までの水彩画のような繊細なタッチから一転、肉感のある濃淡のはっきりしたイラストに変わりました。それにより、ホラーシーンのグロテスクなイラストとマッチしてより不気味に感じるようになりました。
(前作までは、普段のキャラビジュアルと、ホラーシーンのイラストのタッチが合っていなかったため、タッチが変わった際キャラが誰か分からなくなることがありました…)

また今作からイラストが動くようになったため、いきなり動き出してドキッとすることが何度かありました。

気になる点

まだまだ科学ルートが味気ない

「科学ルート」とあるからには、「科学的な視点で調査しなければ分かりえなかった内容が描かれるのだろう」と思いますよね?

しかしこのルート、ほとんどそんな要素はありません。
強いて言えば第4話の科学ルートは事件のトリックが分かるようになっていますが、それだけです。その他の話では犯人の動機や人物像がメインに描かれています。
基本的にオカルトルートを読めば、犯人(怪異)の正体や彼らが取った行動が概ね理解できます。
そもそも殆どが怪異の犯行ありきのストーリーのため、オカルトルートでないと事件の全貌が判明しません。

例えば、ミステリー小説を読む場合、どの部分が一番面白いと感じますか?
大抵の方は「事件の真相やトリックが判明した時」だと思います。
犯人の人物像や動機は深く描かれていれば面白さは増すかもしれません。
でも、そこまで重要ではありませんよね?

それと同じで、科学ルート(犯人の人物像や動機)ってそこまで重要ではありません。
ですので、オカルトルート(事件の真相)と科学ルート(犯人の人物像や動機)とで話の質に大きく差が出てしまっています。

ゲーム性が薄い

基本的に選択肢は「どれを選んでも結果は同じタイプ」か「即死エンド」の2種類です。
序盤に選んだ選択肢が終盤のストーリー展開に影響を及ぼすようなことは一切ありません。
ストーリーが大きく分かれる要素は「科学ルート」と「オカルトルート」以外ありません。
ほぼ一本道で読み進めるゲームです。

「ライアーズアート」や「セルフクエスチョン」、「推理ロジック」といった独自のゲーム要素はあるものの、ゲーム性を補えていません。

なぜなら「難易度が低く、やり直せばすぐクリアできる」からです。

「ライアーズアート」と「セルフクエスチョン」では何度か選択肢が出題され、正しい答えを選べばクリアできます。「推理ロジック」ではキャラクターの相関図に正しい説明(キーワード)をあてはめるとクリアできます。この3つに共通して言えるのは「意図的に間違えないと失敗できない」「仮にクリアできなくても選びなおすだけなので小一時間でクリア可能」です。

要するに、これらのゲーム要素は「普通の選択肢に『手間』が増えただけの機能」でとどまっています。
上記を遊びの要素として昇華させるには、頭を使わないとクリアできないようにするなど工夫が必要です。

誤字脱字が多い

なぜ私がこちらのゲームを「並ゲー」と評価したのか。
その最大の理由はコレです。

他の欠点は前作も同じなのでまだ受け入れられるのですが、こちらは正直ちょっと酷いです。
体感としては一話あたりに2・3か所くらい誤字脱字があります。
前作2作はどちらも誤字脱字がありませんでした。
(もしくは私が気づいていないだけかもしれませんが…)
ですが今作は「誰もチェックしていないのか」と思ってしまうレベルで、ちょくちょく見かけました。
全話通して1か所程度でしたら「弘法にも筆の誤り」でスルーできましたが、こう何度も誤字が出てくると流石に評価を下げざるを得ないです。

どんな人におススメか?

前作をプレイ済みの方

1話の序章でキャラクター等の説明もあり、基本的に1話完結のストーリーのため前作未プレイでもそれなりに楽しめます。
ですが、各キャラの関係性や主人公の過去など、理解していないと読んでいて「?」となる部分も所々あります。特に最終話は前々作をプレイしていないと置いてけぼりになるかもしれません。

前作・前々作をプレイしていない方は、下記の記事を参考にプレイを検討してください。

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ホラー系ノベルゲームが好き

かまいたちの夜やレイジングループ、死印のようなホラー系ノベルゲームが好きな方にはおススメです。やりこみ要素や自由度の高いゲームが好きな方・ストーリーを重視しない方にはおススメしません。

誤字脱字が気にならない

海外のヘタな日本語訳ゲーム程、誤字脱字や文法間違いはありません。
ですがちょくちょく見かけるので、気にしない人でないと読んでて白けるかもしれません。

まとめ

上質なサスペンスホラーを楽しみたい!
ゲーム性?誤字脱字?そんなのストーリーが面白ければ気にしないよ!

という方には間違いなくおススメできる作品です。
気になった方は是非プレイしてみて下さい。

おわりに(キレそうなった理由)

最後にこの件について説明します。
なぜ私がラストにキレそうになったのか?それは

「でっかい伏線を残して終わったから」

です。
これだけ聞くと
「好きなシリーズだったら普通嬉しい展開じゃん。なんでそこで怒るの?」
となるかと思います。
その理由を順を追って説明します。

本作が出るまでの経緯

そもそも前作(真流行り神2)が出た際、社長さんは
「真流行り神の売り上げを超えたら3を出す」
と仰っていました。

真流行り神の売り上げは約3万5千本。
2はそれを超えたのかというと、超えていません。
約1万2千本。3万5千本には程遠いです。
なので続編は絶望的だと諦めていました。

ですが紆余曲折もあってか、5年という長い年月を経て念願の3が発売されました!
その事自体は、とても嬉しく思いました。

上記経緯を踏まえた上でのラスト

さて、皆さんにお尋ねします。

「真流行り神4」は出ると思いますか?

「売上が厳しくて続編を断念」という経緯があったシリーズです。
3は出たものの、売上次第で今度は本当に続編が出ないかもしれない。
非常に存続があやふやなシリーズです。

にも拘わらず「続編ありきの伏線投下」という展開。

正直、「続きが気になる!」より
「この伏線回収できるの?」という
心配の方が強いです。

前回、あれだけ見事に続編への期待を裏切ったのにまた「続編はあるのか?」と期待させようとする終わり方に、もどかしさを感じずにはいられません。

最後に

何はともあれ、どでかい伏線をばら撒いた以上
きっちり続編を出して回収してくださることを
切実に願います。

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