【感想レビュー/ネタバレなし】428~封鎖された渋谷で~【PS4/Wii】

2008年12月4日にWiiで発売され、その後PS3・PS4・iOS版・Windows版と様々なフォーマットで展開されたサウンドノベルゲーム「428 〜封鎖された渋谷で〜(通称428)」

本作は、4月28日の渋谷の街を舞台に、複数の主人公が交錯しながら、やがて大きな事件が一つに収束していくサスペンスノベルゲームです。

その昔「週刊ファミ通」のクロスレビューで、史上9本目の40点満点を記録した伝説のゲームです。40点満点というのは、「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」や「ゴーストオブツシマ」、「ドラクエ11」と同等の評価ということです。ノベルゲームに限れば、40点満点を記録したゲームは本作のみです。

この記事では、428の個人的評価(ネタバレなし)を書きながらどういった方におススメか?を紹介します。

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全体評価

個人的には「唯一無二の神ゲー」です。

このゲームと出会ったお陰で、私はノベルゲームの魅力にどっぷりハマることになりました。
後にも先にも、これ以上のノベルゲームは出ないのでは?と思うほどの傑作です。
発売から10年以上経過していますが、その面白さは色褪せることはありません。

20年、いや30年経っても面白い。

そう断言できる作品です。

良かった点

主人公同士の選択が影響しあう

本作は複数の主人公を選択し、それぞれの視点から展開される物語を読み進め、彼ら全員をハッピーエンドへ導きます。彼らの物語は全て同日同時刻の渋谷で起こっているため、一人の選択が他の主人公にモロに影響を及ぼします。一方の主人公には影響しない選択であっても、他の主人公をバッドエンドにさせてしまうことがあるため、主人公を変える度に「あの時バッドエンドになったのはこの人のこの選択のせいか!」とか「あの人であの選択をしちゃったせいで変な展開になってしまった!」など繋がりが見える楽しさが味わえます。

一時間ごとに区切られたシナリオ

本作のシナリオは「10時~11時の出来事」「11時~12時の出来事」のように、一時間ごとに区切られています。一時間ごとに、全ての主人公のシナリオをクリアしないと次の一時間に進めないようになっています。そのため、一人の主人公をガンガン進めても他の主人公への伏線が出すぎることはなく、物語全体の時間軸が混同することがありません。その上、一時間あたりの密度が濃く感じられ、プレイ後は濃密で長い一日を終えた達成感と充実感で満たされるでしょう。

また、次の一時間へ移行する度に「次の一時間の予告動画」が流れるのも魅力的です。
予告動画が毎回「彼らに何が起こったの?」と思わせるようなワクワクする内容なので、「この一時間が終わったらゲームをやめよう」と思っていても、ついつい次の一時間をプレイしたくなります

実写によるドラマチックな演出

よく見るノベルゲームだと、キャラの立ち絵と背景画像を組み合わせて表示させており、文章は下の四角の枠に書かれていることが多いかと思います。
しかし本作は画面いっぱいに文章を連ね、背景は一枚画です。
背景の一枚画は殆どが実写で、ドラマのワンシーンを切り出したような、動きと迫力のある画像になっています。そのため想像力が掻き立てられ、あたかもサスペンスドラマを見ているような感覚に陥ります。

また本作は「ビジネス系」と「ヤンキー物」と「コメディ」くらい、主人公毎に物語の雰囲気がガラッと変わります。
これをもし2次元イラストで表現するとなると至難の業です。なぜなら、どの主人公(どのジャンル)にも合う画風で描く必要があるからです。仮に主人公毎に画風を変更した場合、一方の主人公の話に出てくるキャラが他の主人公の話に出てきたときに違和感が出ます。
しかし実写であれば、「ビジネス系」も「ヤンキー物」も「コメディ」もその魅力を十分に表現することができます。
また、一方の主人公の物語に出てくるキャラクターが他の主人公の物語に出てきても、違和感なく受け入れることができます。

気になる点

追加シナリオが本編と合ってない

追加シナリオの一つである「カナン編(本編の前日談)」は、本編と内容がかけ離れています。
と書くと、警戒されそうなのであらかじめ弁明しますが、追加シナリオ自体は面白いです。

カナン編はFateでおなじみのTYPE-MOONが手掛けており、シナリオが奈須きのこさん・キャラデザが武内崇さんと、まんまTYPE-MOONの世界観で構築されています。TYPE-MOON特有の中二的カッコ良さ・迫力あるバトル展開が繰り広げられ、読み応えのあるシナリオになっています。
しかし、このシナリオが「本編の前日談」として扱われるのは、かなりの違和感があります。

例えるなら、「名探偵コナンの前日談に名探偵ピカチュウを持ってくる」くらいの違和感です。
カナン編は本編に出てくるキャラがほとんど登場せず、本編の世界観や雰囲気からガラッと大きく変化します。そのため、本編の余韻を残したままプレイすると、あまりの世界観の違う展開についていけなくなるかもしれません。

どんな人におススメか?

ノベルゲーム好き

ノベルゲームを紹介する時、毎回コレを書いてる気がします。
ですが、どのノベルゲームにも「ノベルゲーム嫌いなのに買ってしまった」層が一定数いるから書きます。
本作はひたすら文字を読んでいくゲームです。ゼル伝やドラクエのように自由に主人公を操縦できるタイプのゲームではありません

実写に抵抗がない

本作は、ほぼ実写画像を使用しています。
「龍が如く」シリーズや「ラスアス」のような実写に近いグラフィックのゲームが好きな人なら、実写に抵抗がないかもしれません。しかし、そういったゲームが苦手な人がいるのも事実です。
加えて、ノベルゲームは基本、2次元イラストで描かれることが殆どです。
なので既存のノベルゲームのような二次元イラストを希望される方にはおススメしません。

まとめ

24のようなハラハラドキドキのサスペンスを楽しみたい!
実写?そんなの気にしないよ!

というノベルゲーム好きはプレイ必須のゲームです。
該当する方は是非プレイしてみて下さい。

おわりに(所感)

本作をプレイした私はノベルゲームにハマり、その後「街」「かまいたちの夜」なども様々なノベルゲームに手を出しました。今でもゲームを探すときは、ノベルゲームを中心にストーリー重視のゲームを探します。本作に出会えていなかったら、「ノベルゲーム=恋愛ゲーム」という先入観から抜け出せず、そこまでのめり込んでいなかったと思います。

その魅力を気づかせてくれた本作のような、スリルと迫力のあるサスペンスノベルゲームが今後も発売されることを願っています。

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