ポケットモンスターのシリーズに、新しいチャレンジを行った話題の最新作、「PokémonLEGENDSアルセウス 」が発売されました。
本作は、広大な自然溢れるオープンワールドを駆け巡りながら、野生のポケモンを捕まえ、戦わせたり育てたりするアクションRPGです。
この記事では、「PokémonLEGENDSアルセウス」の個人的評価(ネタバレなし)を書きながらどういった方におススメか?を紹介します。
対応機種 | Switch |
発売日 | 2022年1月28日 |
価格 | 6578円(税込) |
ジャンル | アクションRPG |
開発元 | ゲームフリーク |
発売元 | 株式会社ポケモン |
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全体評価
率直な感想として「ポケモンとブレワイの良いとこ取りのゲーム」だと思いました。
従来のポケモンのように、ターン制コマンドバトル・ポケモンの捕獲と育成ができる仕様でありながら、ブレワイ(ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドの略)のように、広大なフィールドを駆け回りながら自然を旅することもできます。
比較的アクションが苦手な人でもプレイできるような仕様になっている上、序盤でも強いポケモンが出てきて捕まえることも可能なため、自由度が高いです。
ぶっちゃけ、初めて本作の情報を聞いたとき「ダイパ(過去作)の過去の世界」と聞いていたので、「いろいろ新要素があるみたいだけど、出てくるポケモンやフィールドがダイパと同じで新鮮味がなさそう。それにストーリーがダイパありきの作品な気がする」と思って見送ろうと考えていました。
ですが噂を聞いてプレイしたところ、その評価は180度変わりました。
正直、出てくるポケモン自体、そこまで目新しくはありません。殆どが過去シリーズで登場したことのあるポケモン(とその亜種)です。
しかし、フィールドや操作感が、ダイパや他の過去作と全く違いました。そのスケールの大きな世界にワクワクが止まりませんでした。
また、ストーリーもダイパありきのストーリーではないため、ダイパのストーリーの記憶があやふやな私でも楽しむことができました。
全体評価が長くなってしまいましたが、ここからは「良かった点」と「気になった点」をそれぞれ説明します。
良かった点
広大な自然を旅できる
本作の最大の魅力はコレです。
湿地や海岸、凍土などの自然あふれる様々な土地を、自由に旅することができます。
自然あふれる土地と言っても、キャンプ場やハイキングコースのように「ある程度人間が使えるように整備された自然」ではありません。ガチの自然です。
デコボコしている土地や崖になっている場所、急斜面すぎる山など、剝き出しの自然の中を旅します。目に見えるのに、崖や海などの「剥き出しの自然」に邪魔されて行きにくい場所も存在します。だからこそ「あの川の向こうにある大陸には何があるのかな?」とか「あの崖を登った先の景色が見たい」といったワクワクが止まりません。
ちなみに、ストーリーが進むと「ポケモンライド」といって、ポケモンにライド(乗る)しながら海を渡ったり空を飛んだりできるようになります。ポケモンライドすることで、行けなかった場所に行けるようになるだけでなく、「鳥の目線で見た大地」や「魚の目線で見た海」など、普通とは別の視点で自然を堪能できるのです。
自然と共に生きるポケモン
ポケモンファンにとって、これほど魅力的な要素はありません。
本作では、ポケモンが野生の中で生きているリアルな姿を見ることができます。
ただ単にぶらぶらしている時もあれば、突然雄たけびをあげたり、うたた寝していたりと、まるでサファリパークで動物たちを眺めているかのような気分を味わえます。
ですがサファリパークと違い、本作ではポケモンたちがプレイヤーを襲ってきます。プレイヤー自身はか弱い人間のため、襲われたらすぐに倒れてしまいます。そのため、野生のポケモンの恐ろしさも味わうことができます。
ちなみにプレイヤー自身は攻撃できませんが、従来通りモンスターボールを投げつけることで、ポケモンを捕まえて従えさせることができます。また、捕まえたポケモンが入ったボールを野生のポケモンに投げつけることで、従来通りのターン制コマンド式のポケモンバトルができます。
気になる点
操作が迷う
本作は結構使うボタンが多いです。普段使う機会が少ない左ジョイコンのボタンもフルに使いますし、LとZL・RとZRも使い分けてプレイする必要があります。そのため、「あの操作をするのって、どのボタンを押せば良かったっけ?」となることがしばしばあります。特に野生のポケモンに追われている時だと、その逡巡が命取りになる場合もあります。一応、ボタンのガイドが常時表示されているので分からなくはならないのですが、それでも今だに操作に迷います。
ですが、それだけボタンを操作してできることも多いです。
ポケモンライドを瞬時に変えて移動したり、投げつけるアイテム(またはポケモン)を変更したり、そういった本作を楽しむうえで必要な操作が、ボタン操作でほぼ補えています。
操作の難しさはスカイリムやブレワイをプレイした時も感じたので、オープンワールドの自由度の高さを活かすためには、仕方ない事なのかもしれません。
敵が強い
本作は野生ポケモンが結構強いです。序盤でレベルが10以上低い敵でも一撃必殺にはならず、結構ダメージを食らいます。
何故敵がそこまで手強く感じたのか、理由は2点あります。
努力値制度が改変された
努力値を知らない方にざっくり説明しますが、努力値とは「ポケモンが戦闘に出た際に、強化される見えないステータス」のようなものです。
例えば、素早いポケモンと沢山闘ったポケモンは、他の同じ種類・同じレベルのポケモンより素早さが高くなる、といった感じです。
今までは、この見えない補正があったおかげで、同じ種類・同じレベルの野生のポケモンより、長く一緒に旅をしたポケモンの方が自然と強くなりました。
しかし、今回からはこの制度が「がんばレベル」というものに置き換わりました。
がんばレベルは戦闘では上がらず、「がんばりの砂」というアイテムでしか上げられません。
このアイテムは意識して集めない限り、そう簡単に集まりません。
ですので時間をかけてアイテム強化しないと、レベルを上げてもそこまで強くなった感じはしないと思います。
ですが、がんばレベルは以前の努力値制度と違って、全ステータスをMAXまで育てられるというメリットもあります。
ステータスの項目は合計6つあるのですが、今までのポケモンだとMAXに鍛えられるのは2つまででした。本作だと手塩にかけて育てれば、攻撃も守備も強いポケモンを作れるので、ポケモン育成が好きな人は、ありがたいのではないでしょうか?
早業・力業制度
本作は従来の戦闘システムに加え、「早業」と「力業」が使えるようになりました。
もちろん、普通に技を繰り出せば、今まで通りの攻撃を与えることができます。
ですが「早業」で技を繰り出すと、技の威力が落ちる代わりに攻撃する回数が増えます。
逆に「力業」で技を繰り出すと、技の威力が上がる代わりに攻撃できる回数が減ってしまいます。
これらを利用することで、格上相手でもHPを多く削ることができます。
しかし、この「早業」と「力業」、野生のポケモンも使ってきます。
そのため、少し格下の相手であっても、早業2連続攻撃や元々強力な技の力業で、がっつりライフを削られます。
以上の要素があったからか、野生のポケモンが比較的強めに感じました。
それに加えて本作はエンカウント制ではないため、野生のポケモンを探す手間が必要となり、敵を倒してのレベル上げ作業は地味に面倒でした。
ですが、経験値はポケモンを捕まえることでも入るため、強いポケモンがいない場合は強そうなポケモンを捕まえながら経験値を稼ぐことをおススメします。
どんな人におススメか?
ポケモンが好きか?
本作は、従来のポケモンが好きな人であれば、合わない人であってもある程度楽しむことができます。ですが、本作はポケモンを知らない・プレイしたことがないという方でも十分に楽しむことができます。
ただしその場合、以下の点に注意する必要があります。
ストーリーが楽しめるか?
過去作をプレイしていなくても、分からない単語などは説明してくれるため、ストーリーを理解する分には問題ありません。しかし、それでも引っ掛かる部分はあるかと思います。
「カントー地方」や「ジョウト地方」など、過去作の地名が名前だけ出てきたり、過去作のキャラも登場します。そういった細かい過去作とのつながりに、既存のファンは喜ぶかと思いますが、プレイしたことがない方だと逆に萎えるかもしれません。ですので、過去作とのつながりを気にしない人であればおススメできます。
また、複雑なシナリオやアッと驚く展開はないものの、シンプルで分かりやすいシナリオのため子供でも楽しめます。
モンスター育成ゲームが好きか?
本作は本家同様、野生のポケモンを捕まえて、育てて、進化させて…といった要素があります。また、ポケモンを捕まえることで「ポケモン図鑑」にポケモンの情報が登録されます。全部のポケモンを図鑑に登録して完成させるのも、本家同様、魅力的なやり込み要素の一つです。むしろストーリーよりポケモン収集・育成の方がメインのゲームと言っても過言ではありません。
本作はポケモン図鑑を埋めていかないとストーリーが進行しません。そのため、やり込み要素を「面白そう」と思わない人だと、面倒なやり込み要素を強要されられて、しんどいゲームだと感じるでしょう。
逆にそれらの要素が「面白そう」と思う人だと、広大なフィールドを駆け巡りながらまだ見ぬポケモンを探す旅に、新鮮さを感じでどっぷりハマることでしょう。むしろストーリーそっちのけでポケモン図鑑を埋め始め、「そろそろメインストーリー進めるか」と思った時には図鑑が埋まりすぎて、引っ掛かることなくストーリーが進行することでしょう。
ある程度アクション操作ができる
本作はアクションが苦手な人でも、そこまで難しくはありません。
ボールやアイテムを投げる際は「ZL」を押すと照準が合いますし、敵との戦闘自体はターン制コマンドバトルなので、「アクション操作が下手すぎて敵が倒せない」ということは基本的にはありません。
ですが、以下の点で多少のアクション操作能力が必要になります。
野生のポケモン回避能力
基本的に野生のポケモンに見つかると攻撃されます。
攻撃を食らう等、プレイヤーがある程度のダメージを負うと倒れてしまい、最後にいた拠点からやり直しになってしまいます。
これを回避するには、見つからないようにするか、見つかっても攻撃をよけるか、手持ちポケモンをぶつけて勝負に持ち込むしかありません。
野生のポケモンが1匹であれば簡単ですが、そこそこ強い敵が密集している地帯もあるため、油断して密集地帯に入ってしまうとポケモンにフルボッコにされて死にかけます。
意外に手ごわいキング戦
本作のメインストーリーで、「キング」と呼ばれるポケモンと闘うイベントがあります。
キング戦は普通のポケモンバトルとは違い、基本的に「キングが放つ攻撃を避けながら、道具を投げつけてゲージをゼロにする」というバトル方式になります。
アクション初心者だと「攻撃を避けながら道具を投げて当てる」というのが難しく感じると思います。その上キングはガンガン強力な攻撃を放ってくるので、そこそこアクション操作が上手でないと死ぬこと間違いなしです。
ですが、アクション初心者への救済措置で「減ったゲージをそのままに再挑戦する」という選択肢があるため、根気よくプレイすればクリアは可能です。
まとめ
「モンスターを育成したり・収集するのが好き!」
「アクション操作は得意ではなくても、まぁまぁできる」
「大自然を自由に駆け巡りたい!」
そんな方におススメのゲームです。
当てはまる方は是非、買ってプレイしてみて下さい。