2014年8月7日にPS3/PSVitaで発売され、その後2019年7月18日にswitchで1・2パックとしても発売された ホラー系ノベルゲーム「真流行り神」 。
本作は主人公の女性巡査がS県C村で起きた殺人事件を調査し、真相を追求するゲームです。
こちらのゲーム、旧作「流行り神」シリーズの世界観を引き継ぎ、登場人物を一新したゲームです。
この記事では、真流行り神の個人的評価(ネタバレなし)を書きながら、どういった方におススメか?を紹介します。
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全体評価
個人的には「良ゲー」です。 元々サスペンスとかホラー系の読みゲーが好きなので、 色々な種類のホラーを楽しめる本作はとても夢中になれました。
ただ、プレイ後にネットの評判を見ると見事に賛否が分かれていました。 見ると大半が前作ファンからのブーイングでした。 旧作を知らない私からすると「何がそんなにダメなのか?」と疑問に感じるほどです。
この件に関しては記事の最後に説明したいと思います。
良かった点
様々な種類のホラーを楽しめる
「ホラー」と一言で言っても、様々な種類があります。 悪霊が出てきたり、殺人鬼に狙われたり、ゾンビに襲われたり…。
本作はそういった、種類の違うホラーが網羅されています。 かまいたちの夜のように、「メインのシナリオだけでなくそこから複数のルートに派生し、パラレルワールドが展開される」構成になっています。
それぞれの独立したルートで別の恐怖を味わうことができるのです。
恐怖心を掻き立てるイラスト
本作は、キャラビジュアルが漫画イラストのように描かれているのに対し、一枚絵は力強くてリアリティのあるタッチで描かれています。
それにより、グロテスクなシーンがより鮮明に描かれ、胸糞悪さや恐怖心を増長させます。
気になる点
遊び要素が単純
本作には「ライアーズアート」と「推理ロジック」というゲーム要素があります。
雑に説明すると、ライアーズアートは「選択肢が何題か出題され、それに答える」ゲーム。推理ロジックは「登場人物の相関図に当てはまる単語を、今まで得た単語から選択する」ゲームです。
どちらも失敗するとバッドエンドになってしまうのですが、合格判定がゆるいです。
今までの内容を理解できていたらほぼ合格します。
ストーリーをとにかく進めたい人には、そのくらいの難易度でいいと思いますが、「ゲーム」として楽しむのであればもう少し難易度を上げていいのではと思います。
キャラクターに感情移入できない
コレは完全にネットの意見です。
個人的にはそんな風に感じなかったのですが、「感情移入できない」心理も分からなくもないため記載しました。
前述の通り、本作は複数のパラレルワールドに分岐するシナリオなのですが、キャラクターがシナリオ毎に役割が変わります。
あるルートで凄くいい人だったキャラが、別のルートでは極悪人だったりします。また、あるルートではただの記者だったキャラも、別のルートでは怪しい組織の人間だったりします。 ちなみに「全ルートで善人」というキャラはほとんどいません。
そのため「それぞれの話は同一人物でもパラレルワールドの別人」として捉えることのできない人は、「このキャラ、あのルートではクソだったから嫌い」となり、結果全ルートをクリアする頃には誰一人として共感できるキャラがいなくなります。
どんな人におススメか?
ホラー系ノベルゲームが好きな人
かまいたちの夜のようなホラー系ノベルゲームが好きな方には是非おススメです。 複数の種類の異なるルートがあるため、ホラーの短編集を読んでいるような面白さがあります。 後味の悪い・胸糞悪いストーリーが好きな人にはたまりません。
旧作と比較せずにプレイできる人
本作からプレイする方は問題ありません。 ですが旧作をプレイしている方は、旧作のようなゲームを期待していると肩透かしを食う可能性があります。 前述の通り、旧作ファンの間で賛否が分かれた作品です。 上記の「良い点」「悪い点」だけでなく、その点も踏まえてプレイするかを検討しましょう。
まとめ
「旧作知らん」
「ゲームの操作は苦手だけどホラーゲームを楽しみたい」
本作はそんな方にはうってつけのゲームです。 興味が湧きましたら是非プレイして下さい。
ちなみに本作、続編も出ています。
本作が気になった方はコチラもどうぞ。
おわりに(本作の賛否が分かれた理由)
ゲームにしろ漫画にしろ、シリーズ作品の評価って大抵「前作のシナリオ・キャラの方が良い」といった、前作との対比をされがちです。今作も例外なくそういった評価はありました。
しかし、それ以上に大きな問題がありました。
それは
「旧作からの大幅な仕様変更」
です。
旧作は逆転裁判のように「1話完結の話が数話盛り込まれている」のに対し、本作はかまいたちの夜のように「様々なパラレルワールドが展開される」形式になっています。
また旧作最大の魅力である「科学ルートとオカルトルートに分岐するストーリー」も無くなりました。
例えるなら「豚骨ラーメンを注文したのに醤油ラーメンが出てきた」現象が起きてしまったのです。
「美味しいラーメンが食べられたらそれでいい」人はさぞ満足でしょう。しかし「豚骨ラーメンを一日千秋の思いで待っていた」人からすると不満爆発です。いくら美味しい醤油ラーメンが出てきても「豚骨がいい」と思いますし、そもそも醤油ラーメンが出てきた時点でクレームを入れます。
それと同じで、単純にホラーを楽しみたい人なら満足できるゲームです。しかし旧作のような話の構成を望む方だと期待外れなゲームと感じたのではないのでしょうか。
何はともあれ、「旧作の方が良かった」という声が多いということは、それだけ旧作は愛されていたのでしょう。
旧作がどんなゲームなのか、一度プレイしたくなりました。
制作会社さんには旧作復刻版をswitchかPS5で出してほしいものです。