2019年6月20日にPSVitaで配信され、その後2020年4月30日にSwitchで機能追加版が配信されたシミュレーションアドベンチャーRPG「グノーシア」
本作は、「宇宙船内で搭乗員に偽装している、『グノーシア(人類を襲う敵)』を排除するため、疑わしい者から順にコールドスリープ(排除)する」というストーリーの、人狼をモデルとしたゲームです。
「人狼のゲーム」といえばレイジングループやAmongUsなどがありますが、それらとは違う楽しさが本作にはあります。
この記事では、「グノーシア」の個人的評価(ネタバレなし)を書きながらどういった方におススメか?を紹介します。
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全体評価
個人的には「一人でも人狼ができる良ゲー」だと思います。
「人狼で遊びたいけど、一緒に遊んでくれる人がいない」
「かといって、ネットで募集をかけても、プロしか集まらなさそう」
そういったハードルがあったため、なかなか人狼で遊ぶことができませんでした。
ですが本作は、私のようなぼっちな初心者にも優しい人狼ゲームでした。
1回15分程度で気軽に遊べる上、人がいなくてもできるため延々と遊べるゲームです。
また、ストーリーも充実しているため、ノベルゲーム好きの私はその点でも大満足です。
そもそも人狼とは?
人狼を知らない方もいるかと思いますので、簡単に人狼のルールを説明します。
(人狼のルールを知っている方は、下の説明は飛ばしてください)
【あらすじ】
とある村に、人間に扮した人狼が潜んでいます。
人狼は、昼は大人しいですが、夜になると、毎晩1人ずつ村人を食べてしまいます。
村人はこれを阻止するため、昼に「人狼と疑わしきもの」を一日一人ずつ処刑することにしました。
【ルール】
プレイヤーは「人狼」や「村人」などの役割を与えられ、与えられた役割毎の勝利条件を目指します。
昼のターンになるとプレイヤー全員(人狼含む)で会議を行い、誰を処刑するかを決めます。
夜のターンになると人狼のみで会議を行い、誰を食い殺すかを決めます。
【勝利条件】
村人サイドの勝利条件は「人狼を全員処刑すること」です。
人狼サイドの勝利条件は「村人の人数が人狼の人数と同じになること」です。
【その他】
村人の中には「『毎晩一人だけ人狼か否かが分かる能力』を持つ者(預言者)」など、特殊な能力を持つ者がいます。また、村人であっても「人狼サイドに与する者(狂人)」もいます。
良かった点
本格的な人狼が楽しめる
本作の最大の魅力はコレです。
本家の人狼のように役割も豊富で
・村人(本作では乗員)
・人狼(本作ではグノーシア)
・預言者(本作ではエンジニア)
・霊媒師(本作ではドクター)
・狩人(本作では守護天使)
・共有者(本作では留守番)
・狂人(本作ではAC主義者)
・狐(本作ではバグ)
と、これだけの役割がそろっています。
また、「誰かを疑う」「かばう」「役割を名乗り出る」など、出来る行動も豊富で、特定の誰かを疑うことで追放へと追い込むこともできれば、特定の誰かをかばうことで信頼を得て、追放されにくくすることもできます。
しかも「RPG」であるため、人狼をするたびに勝敗に関わらず経験値が得られ、得た経験値で自分の能力を上げることができます。
例えば、「直感」のパラメータを上げると、キャラクターたちが嘘の発言をした際に、嘘であることが気づきやすくなります。「カリスマ」のパラメータを上げると自分の意見が同意してもらえやすくなります。
これにより人狼初心者であっても、何度もプレイするうちにレベルが上がって勝てるようになります。
また、本作はストーリーも面白いのですが、全クリした後でも人狼を楽しむことができます。
ストーリーも面白い
「人狼を題材にしたストーリーのゲーム」といえば、レイジングループを思い出す人もいるかもしれません。本作もレイジングループ同様、ループ物です。
ループする度に役割も搭乗員も大きく変わります。
何度も宇宙船内での人狼ゲームを繰り返すことによって、「なぜループが起こるのか」「ループを抜け出すにはどうすればいいのか」といった謎が解明していくストーリーになっています。
また、ループごとに交流関係も変わり、そのループでしか知りえない登場人物たちの意外な一面が判明するのも見どころです。
気になる点
対人でやる人狼とは違う
皆さんは対人での人狼をプレイしたことはありますか?
私は一回だけ、イベントか何かで参加させてもらえる機会がありました。
その時、プロの人狼プレイヤーの方がいたので、その人がリーダーシップを取って「あの人のアノ発言は怪しい」とか「あの人はヒト確定」とか推理しながら投票していきました。
対人の場合、仮に「〇〇さんが怪しい」と言っている人がいても、その方に根拠を尋ねることができます。しかし本作では、ただひたすら登場人物たちが「怪しい」「信用してもいい」と根拠を示すことなく騒ぎ立てます。
そのためプレイしている方は「何でその人を信用して(疑って)いるの?」と疑問に思うこともしばしばあります。
また、コミュニケーションを取ることができないので、自分の意見を説明して説得させることもできません。
ですので(特に序盤だと)理由も分からないうちに疑われ、思うように弁明ができずに追放されることが何度もあります。
しかし、逆に対人ならではの凡ミスも起こりません。
例えば、私は人狼に参加したとき、「ただの人」であるにも関わらず「預言者」だと名乗り出ました。なぜそんなことをしたのか?それは「誰が人狼かが確実に分かった」から、そして何より「『人狼サイド以外は嘘をついてはいけない』という暗黙のルールを知らなかったため」です。
本作の登場人物たちは皆、人狼の暗黙のルールやセオリーに沿って行動します。
私のように初心者が故に起こす凡ミスや、変な行動をとる人物は誰一人いません。
ですので、人狼初心者の方は人狼のセオリーを学びながら楽しむことができます。
どんな人におススメか?
人狼で遊びたい初心者
対人の駆け引きが得意なプロの人狼プレイヤーには、コミュニケーションが取れずもどかしさを感じるゲームかもしれません。
しかし、「なかなか対人で遊べない人」や「対人でやるのが怖い初心者」の方にとっては、気軽に人狼が楽しめるゲームになっています。本作は対人の人狼とは違い、コミュニケーション能力を必要としないため、人と話すのが苦手な人や、心理戦が苦手な人でも楽しめる人狼ゲームです。
ストーリーを楽しみたい
「別に人狼に興味ない」という方であっても本作はおススメです。
なぜならストーリーが、他にはない面白さがあるからです。
ループ物ではあるのですが、既存のループ物ではありえない展開もあります。伏線も多く、それらを回収してエンディングを迎えた際、もう一度はじめからプレイしたくなります。それほどまでに話も作りこまれているので、ストーリー目当ての人にもおすすめです。
まとめ
「初心者・コミュ障でも気軽に人狼を楽しみたい!」
「ストーリー重視のゲームをプレイしたい!」
そんな方におススメのゲームです。
当てはまる方は是非、買ってプレイしてみて下さい。
おわりに(他の人狼ゲームとの違い)
本作同様「人狼」を題材にしたゲームの、「レイジングループ」や「AmongUs」。
それらと本作との違いを下記の通りにまとめました。
・レイジングループ
→ 「『人狼』を題材にした物語」を読みたい人向けのゲーム
・AmongUs
→ コミュ力が高く、オンライン環境がある人向けのゲーム
・グノーシア(本作)
→ コミュ力が低い、またはオンライン環境がない人向けのゲーム
上記の通り、同じ人狼を取り扱ったゲームであっても、おススメしたいプレイヤー層が全然違います。
もし本作の記事を読んで「期待していた人狼ゲームと違う!」と思われた方は上に記載した人狼のゲームが自分に合っているか?を検討していただければ幸いです。